生活習慣病 (2) 高血圧
1.血圧とは
血液が流れる際に、血管の内側にかかる圧力のことをいいます。
(1) 血圧値は、心臓から送り出される血液の量(心拍出量)と、太い動脈に 血液が流れていこうとするときに起こる抵抗(血管抵抗)によって決まります。

(2)血圧には次の二つの値があります。

2.高血圧とは
収縮期と拡張期の血圧を測定して、どちらか一方、または両方が基準値よりも高く、その状態が慢性的に続くことをいいます。


※JNC7(米国高血圧合同委員会第7次報告/2003年5月)では、治療目標の厳格かをはかり、動脈硬化の進行をより防ぐため、JSH2000(日本高血圧学会/2000年)より目標値を低くしています。
※JNC7の高血圧基準値はWHO/ISH基準(1999)と世界的に最も権威ある高血圧基準の1つです。
▽血圧が上がる直接的な理由とは
(1)血管が硬くなり、広がりにくくなること!!(血管抵抗の増加)血管が硬く細くなると血液を送り出すのに強い抵抗がかかり、血圧が上昇する。

(2)血液の量が多くなり過ぎること!!(心拍出量の増加)血管の内側に強い圧力がかかり、血圧が上昇する。

3.高血圧になる原因は
▽高血圧には2種類あります。
(1) 本態性高血圧・・・高血圧の9割以上を占め、原因は特定できないが高血圧になりやすい遺伝的体質に加えて、塩分の多い食習慣、肥満、喫煙、
ストレスなど、さまざまな環境因子が関係していると考えられています。
(2) 二次性高血圧・・・血圧を上げる他の病気があるために「腎臓や副腎、甲状腺などの病気や血圧調整に関係するホルモンの異常、神経や血管の異常」などが原因となって起こる。しかし、原因となる病気を治すことで血圧は下がる。
4.高血圧はなぜいけないの
軽度の高血圧では、これといった自覚症状がないため、そのまま放置していると動脈硬化が進行して血液の流れが悪くなったり、血栓(血のかたまり)ができやすくなります。

・・・など、生命を脅かしたり、身体に障害を残すようなさまざまな合併症が起こすことから高血圧は別名『サイレント・キラー(沈黙の殺し屋)』とも呼ばれています。
▽糖尿病の方は・・・40〜60%が高血圧を合わせ持っていると言われており、(これは糖尿病でない人の約2倍!!)年齢が比較的、若いうちから血圧がり始めることが多く、罹病期間が長い人が多いため上記に述べた合併症の現れる頻度がさらに高くなります。
つまり、高血圧がいけないといわれるのは、こうした合併症を引き起こす危険があるからです。

5.治療法
(1)基本となるのは、食事・運動療法のライフスタイル(生活習慣)の改善です。
※ 減塩、減量
※ 運動不足の解消(肥満の解消)
※ 過度のアルコール摂取を控える
※ 禁煙
※ ストレスをため込まない
・・・など、日常生活の中のさまざまな環境因子を減らし高血圧の進行を防ぎましょう。
(2)薬物療法
基本的なライフスタイルの改善を行っても血圧が下がらない場合は、降圧剤が処方されます。ただし、降圧剤を服用していても基本的な治療は継続して行う必要があります。降圧剤には、いくつかの種類があり、病状に応じて処方されます。それぞれ特徴があり、服用の注意点、副作用などをよく把握し、正しく飲み続けましょう。
6.降圧剤の種類

※Ca拮抗薬はグレープフルーツジュースと一緒に飲むと効き過ぎる場合があるので気をつけましょう。薬は、コップ1杯くらいの水か湯冷ましで飲むのが基本です。
7.薬を服用するポイント
▽自分勝手に薬の服用を中止すると危険!!
一時的に血圧が下がったり、自覚症状がないからといって、自分の判断で服用を止めてしまうと、血圧は再び上がってしまいます。また、薬の中断や飲み忘れにより、血圧の上下が繰り返されるとかえって血管を傷つけることになるので、血圧を良好な状態にたもつためにも決められた回数を継続して毎日飲む必要があります。
現在の降圧剤は一日一回服用のものが推奨されており、ゆっくり時間をかけて降圧を図るようになっています。なので、血圧が高いときだけに服用するものではありません。
▽薬の飲み忘れを防ぐ!!
薬を飲み忘れてしまうような場合は、毎日の習慣に関連付けて服用するとよいでしょう。例えば、新聞の朝刊、夕刊を読む時や歯磨きの後、毎日みているテレビ番組が始まった時、携帯電話のアラーム機能を使ったりなど。
▽自己管理が大切!!
高血圧も糖尿病もコントロールすることが大切です。せっかく、生活習慣の改善で血圧が下がったとしても、元の生活に戻してしまえばまた血圧は上がり、高血圧の薬も高血圧の原因そのものを治すわけではありません。ですから自分自身の生活管理がとても重要なのです。
『あせらず、気長に、治療を継続することが大切です。』