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2021年6月10日更新

<ナースの勉強会>

先が見えない新型コロナウイルス感染

切り札として期待されているワクチンに関する報道で、見聞きする機会が増えたのが「アナフィラキシーショック」という言葉。そこで当院の勉強会では「ショックについて」そしてその中でもワクチンの副反応のひとつと言われているこの「アナフィラキシーショック」について詳しく学びました。

ショックとは?

ショックとは何らかの原因によって血圧が急激に低下し、さまざまな障害が起こっている状態をいいます。全身の臓器や組織に十分な血液が届かなくなって、臓器の機能障害や意識障害などが起こる重篤な病態です。

循環障害の要因によって、循環血液量減少性ショック、心原性ショック、閉塞性ショック、血液分布異常性ショックの4つに分類されます。

#1 「循環血液量減少性ショック」とは

大量の出血や脱水、外傷、熱傷などにより、全身の血液や体液の量が減少してしまうことで起こります。

#2 「心原性ショック」とは

心臓の障害によって心臓のポンプ機能が低下することで生じ、 急性心筋梗塞や弁膜症、不整脈、心筋症などの病気が原因です。

#3「閉塞性ショック」とは

心臓以外の臓器の障害より、心臓のポンプ機能が低下することで発生します。
肺塞栓症、心タンポナーデ、収縮性心膜炎、緊張性気胸などがその原因です。

#4「血液分布異常性ショック」とは

自律神経機能の低下などによって血管が拡張してしまい、血管内容量が足りなくなることで生じます。

敗血症*、アレルギー、感染症、骨髄損傷などが原因です。

*細菌などの病原微生物に感染し、体がその微生物に対抗することで起こるさまざまな状態のこと

アナフィラキシーとは

食物のほか、薬の投与や昆虫刺症、ワクチン接種後の副反応として現れることがあるアレルギー反応の1つです。アナフィラキシーのうち、特に血液分布異常性ショックに陥り、生死を脅かす状態をアナフィラキシーショックと言います。

アナフィラキシーの症状

●皮膚・粘膜症状

・じんましん、まぶたや唇などの急な腫れ
・顔面紅潮
・皮膚のかゆみ
・眼の充血

●呼吸器症状

・呼吸困難、呼吸音がゼーゼー・ヒューヒューとなる(喘鳴)
・のどや胸がしめつけられる

●循環器症状

・動機、胸が苦しくなる
・脈が速い・触れにくい・乱れる
・手足が冷たい、唇や爪が青白い(チアノーゼ)
・血圧低下

●消化器症状

・吐き気、下痢、腹痛
・尿や便をもらす

●神経症状
・手足のしびれ、耳鳴り、めまいなど

アナフィラキシーの治療

1.初期対応手順

(1)バイタルサインの確認

(2)助けを呼ぶ(救急車要請等)

(3)0.1%アドレナリンまたはボスミンを大腿外側に筋肉注射
0.01mg/kg(最大量:成人0.5mg・小児0.3mg)30kgの場合0.3ml
必要に応じて5〜15分間隔再投与(通常、ボスミンを0.3〜0.5ml筋注)

(4)患者さんを仰臥位にする
*呼吸苦あるとき・・軽く上体を挙上する。気管支拡張薬や副腎皮質ステロイド薬の投与を考慮する
例1.ラクテックG 500ml + ネオフィリン1A(250mg)の点滴
例2.メチルプレドニゾロンコハク酸エステルNaまたはヒドロコルチゾンコハク酸エステルNa等の投与
*血圧低下時・・下肢挙上する(30p程度)

(5)気道確保
頭部後屈、あご先挙上

(6)必要に応じて酸素投与など

2.アナフィラキシーの重症度評価

⇒下記表のグレード1(軽症)の症状が複数あるのみではアナフィラキシーとは判断しない。

⇒グレード3(重症)の症状を含む複数臓器の症状、グレード2以上の症状が複数ある場合はアナフィラキシーと診断する。

⇒重症度(グレード)判定は、下記の表を参考として最も高い器官症状によって行う。

⇒重症度を適切に評価し、各器官の重症度に応じた治療を行う。

臨床所見による重症度分類表

※日本アレルギー学会 アナフィラキシーガイドラインより引用

⇒アドレナリンの適応
アドレナリン筋注の適応はアナフィラキシーの重症度評価におけるグレード3(重症)の症状(不整脈、低血圧、心停止、意識消失、嗄声、犬吠様咳嗽、嚥下困難、呼吸困難、喘鳴、チアノーゼ、持続する我慢できない腹痛、繰り返す嘔吐等)である。

⇒過去の重篤なアナフィラキシーの既往がある場合や症状の進行が激烈な場合はグレード2(中等症)でも投与することもある。

⇒気管支拡張薬吸入で改善しない呼吸器症状もアドレナリン筋注の適応になる。

3.薬物治療;第1選択薬(アドレナリン)

⇒アナフィラキシーと診断した場合または強く疑われる場合は、0.1%アドレナリンを直ちに筋肉注射する。

⇒経静脈投与は心停止もしくは心停止に近い状態では必要であるが、それ以外では不整脈、高血圧などの有害作用を起こす可能性があるので、推奨されない。

⇒アドレナリン血中濃度は筋注後10分程度で最高になり、40分程度で半減する。

⇒アドレナリンの効果は短時間で消失するため、症状が続く場合は追加投与する。

4.薬物治療:第2選択薬(アドレナリン以外)

⇒ H1抗ヒスタミン薬は掻痒感、紅斑、蕁麻疹、血管浮腫、鼻および目の症状を緩和するが、呼吸器症状には無効である。

⇒β2アドレナリン受容体刺激薬は喘鳴、咳嗽、息切れなどの下気道症状に有効であるが、上気道閉塞等の症状には無効である。

5.症状別の治療

(1)皮膚症状の場合

じんま疹、血管性浮腫や顔面紅潮なとの皮膚症状のみか認められた場合、ヒスタミン H1 受容体拮抗薬を内服させた後、1時間程度経過観察する。改善が認められたら、その後、2~3日分のH1受容体拮抗薬を処方したうえで帰宅可能である。改善がなけれは、その後も病院内で経時的に観察する。

(2)消化器症状

腹痛、吐き気などの消化器症状か認められた場合、H1 と H2 受容体拮抗薬の点滴静注後1時間程度経過観察する。改善が認められ、呼吸器症状や 血圧の問題がない場合には、その後2~3日分のH1、H2受容体拮抗薬を処方したうえで帰宅可能である。改善がなければ、その後も病院内で経時的に観察する。

(3)呼吸器症状

喘鳴や喉頭浮腫か認められたら、0.1%アドレナリン0.3~0.5ml(小児: 0.01 ml/kg、最大 0.3 ml)の筋肉注射(大腿部が推奨される)とβ2 刺激 薬をネブライサーにて吸入するとともに、低酸素の兆候のある場合には直ちに、酸素投与(6~8 L/分マスク)を行う。改善が無ければ30分間隔で同様の手順を繰り返す。また、気管支喘息の既往のある患者は、ステロイド薬としてヒドロコルチゾン(100~200 mg、小児では 5 mg/kg)または メチルプレドニゾロン (40 mg、小児では 1 mg/kg)を 6~8 時間間隔で点滴静脈注射する。上記処置にて治療抵抗性の場合気管内挿管や、喉頭浮腫が著明の場合には気管切開を考慮する。

(4)循環器症状

ショック症状や収縮期血圧20 mmHg以上の低下または90 mmHg 以下のショック状態の場合、直ちにアドレナリン0.3〜0.5ml(小児:0.01 ml/kg、最大0.3 ml)を筋肉(大腿部が推奨)または静脈注射する。血管内の血漿や輸液量の50%は血管外へ流出するため、血管を確保し最初の5分間は,生理食塩水5~10 ml/kg を急速輸液する。5分後に改善がなければ0.1%アドレナリン0.3~0.5 mg(小児:0.01 ml/kg、最大0.3 ml)を追加投与し、リンゲル液などに変更し輸液を継続する。更に、改善がなければドパミン(2~20μg/kg/分)を併用し、収縮期圧90 mmHg以上に保つように心がけ、5分間隔でバイタルサインをチェックする。遷延予防のためステロイド薬を 6~8 時間間隔で点滴静脈注射する。H1、H2受容体拮抗薬を投与することもよいとされる。

これからの季節、屋外で活動する機会が増えるますがハチに刺されないように注意しましょう。

日本ではハチに刺されて亡くなる人が、年間20人を前後しています。死亡者のほとんどはスズメバチやアシナガバチに刺された方ですが、ハチの毒が直接、心臓や脳に作用して死に至るわけではありません。刺された方の体がハチの毒に対して「アナフィラキシー」いう過敏反応を起こして、この反応が重症になると、かなり命の危険が生じます。

ハチによるアナフィラキシーを起こしたことがある人は、ハチに刺されないようにしてください。どうしても近づく必要があるときは皮膚の露出をできるだけ控えてくださいね。

<引用・参考文献>
1)厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル  アナフィラキシー

https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1h01.pdf

2)日本アレルギー学会 アナフィラキシーガイドライン

https://anaphylaxis-guideline.jp/pdf/anaphylaxis_guideline.PDF

3)日本小児アレルギー学会 臨床試験による重症度分類表