2011年11月23日更新
「緩徐進行型T型糖尿病・SPIDDM」
糖尿病は、発症の原因により、大きく2つのタイプに分かれます。子供や若い年齢で発症することが多いT型糖尿病と、遺伝的要因を背景にして、生活習慣のなかから発症する2型糖尿病です。T型糖尿病では、インスリン注射が必須となりますが、2型糖尿病では必ずしもそうではありません。食事療法と運動療法が基本で、それに薬物療法が加わって初めて血糖コントロールをうまく行うことが出来るのです。
T型糖尿病発症のタイプの中に、「緩徐進行型T型糖尿病」があります。初期の病状は2型糖尿病と同じ経過を辿り、数年?数十年で膵臓のβ細胞が破壊され発症します。長年にかけて進行する為2型糖尿病と間違いやすいのです。
<SPIDDMの特徴>
- 膵島細胞抗体(ICA)もしくは抗GAD抗体が、症状の進行期間中は持続的に陽性を示す。
- インスリン自己抗体(IAA)も持続陽性を示す場合がある。
- 発症年齢は30歳?50歳である場合が多く、急性発症のIDDMに比べ高齢である。
- β細胞障害の速度は、女性よりも男性の方が進行が速い。
- β細胞は若干残存している場合が多い。一方、膵外分泌腺組織には顕著な萎縮が認められ、しばしば外分泌腺周囲にCD-8(キラー細胞及びサプレッサーT細胞のマーカー。それぞれ、ガン細胞やウィルス感染細胞を傷害する働きや、免疫反応が過剰になった時にそれを抑制する働きがある)陽性のリンパ球浸潤を認める。また、膵外分泌腺抗体が持続陽性を示す場合がある。
- 高感度なCペプチド(CPR)の測定系でのみ検出できる程度の、僅かなインスリン自己分泌機能の残存がある。
- 膵外分泌機能には検査は低値を示すことが多い。
- 急性発症のIDDMに比べ、GAD抗体価は高く、長期間陽性を示す。
SPIDDMの症状には個人差があるが、自覚できる程度の高血糖症状(口渇、多尿、体重減少)が現れない場合には、気付かないうちに腎症や神経障害等の合併症が進行している事があります。定期的な健康診断等で「糖尿病の疑いあり」又は「境界型」と判定された場合、自覚症状が無いからと長期間放置する事は絶対にあってはなりません。
緩徐進行型T型糖尿病は、早い時点でインスリン注射を開始する事で自分自身のインスリンを作る能力が残存する事がわかっています。
自分自身のインスリンを作る能力が残っていれば血糖コントロールが落ち着きやすく、合併症も進みにくいのです。
生活習慣の正常化と血糖降下薬/インスリン等の薬物療法を並行しながら膵臓が疲弊しないような生活を送る事が重要なのです。 |